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和束茶業のはじまり

和束郷ではじめて茶が栽培されたのが、いつの頃かは定かではない。「私たちの相楽郡(1959年、相楽郡誌刊行会)」によると「和束郷の茶の歴史はあきらかでないが、鎌倉時代海住山寺にいた高僧慈心上人が、茶業興隆の祖と言われる栂尾の明恵上人より茶の種子の分与を受け、鷲峰山に栽培したのが始まりであるといわれている。」とある。

鎌倉時代に和束郷鷲峰山に植えられたという茶の種からは、果たしてどんな茶が飲用されたのだろうか。抹茶であったのか、蒸製煎茶以前の茎や成葉を乾燥した煎じ茶であったのかも定かではない。明恵に茶の種子を手渡したとされる栄西は中国(宋)から抹茶を伝来し、抹茶が源実朝の二日酔いを治癒したとの逸話が示すように、薬として禅寺の修行に飲用されたと言われている。嗜好品として茶が飲用されるのは茶の湯の隆盛を待たねばならないが、薬としての茶は、禅宗の普及・拡大とともに各地に伝播し、禅僧達の交流により和束郷にも伝えられ、茶の木の植栽も始まったのではないだろうか。

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